
こんにちは。やもともりです。
前回の記事では、小学6年生の娘が「ぼっちが怖い」と言って登校をしぶったことについて書きました。
私はそのことがきっかけで、「子どもたちが抱えるぼっちの悩みを軽くするにはどうしたらいいか」を真剣に考え始めました。
ここでいう「ぼっちが怖い」とは、1人でいることの恐怖ではありません。「周りが群れているのに自分は1人、という恐怖」です。悪目立ちする恥ずかしさや、哀れみやさげすみの目で見られるかもという不安から、恐いと感じてしまうのです。
いじめ(暴力や仲間外れや悪口など)のように深刻な問題とは見なされなくても、ぼっちを怖がる子は少なくありません。大人の私だって、ぼっちはとても怖いです。
やもともり
「今だけ透明人間になりたい」と思う場面がよくあります。
いくら「ぼっちは恥ずかしいことではない」「人目を気にし過ぎだ」と正論をもらっても、頭では理解できますが心が反論するのです。怖いものは怖い、と。
小学生の娘がぼっちをひどく怖がる姿を見て、とても心が苦しくなりました。このままだとこれから先の未来でも、ぼっちを怖がる子は存在するんだろうな、と思うと悲しくて悔しくなりました。
教室に入る瞬間、休み時間、昼休み、放課後...
誰と誰が一緒にいるか、どのグループに属しているか。そういう「関係性」が可視化されやすい場所や状況では、1人でいると目立ってしまいます。
1人 = 寂しい人?友だちがいない人?
そう見られるかもしれないという不安を抱える子がいます。
そういう子は、卒業して大人になってからも、不安を抱え続けることが多いです。会社の休み時間、飲み会、学校や地域の行事、PTAの集まり...。「自由」行動の時間が、実は一番「不自由」な時間だったりもします。
ぼっちの恐怖に苦しむ子が1人でも少なくなって欲しい。せめて少しでも、恐怖がやわらぐ仕組みを作れたらいいのに。ぼっちをなくすのではなく、1人いる理由を説明しなくていい社会を作りたい。
そのためにどうしたらいいか考えました。そこで、あえてぼっちの子を増やすという方法を思いつきました。「積極的に1人で過ごす練習」を学校に導入し、ぼっちで過ごす子が増えることで、結果としてぼっちが目立たなくなります。
この記事は、ぼっちが浮かない仕組み作りについて書いたものです。
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- ぼっちが浮かない仕組みとは
- 学校に「ソロ活の練習」を取り入れる
- ソロ活には全員参加!でも「いつ・どれくらい活動するか」は自由
- ソロ活中であることが一目で分かるアイテムを身に着ける
- ソロ活の日ならではの特典を用意
- ソロ活の日以外は、勇気を出す練習
- ソロ活の練習を取り入れることへの弊害や、他のアイディア
- おわりに
ぼっちが浮かない仕組みとは
「周りが群れているのに自分は1人」という状況だと、1人だけ浮いて目立ってしまいます。そのため、群れている子よりもぼっちの子の方が多くなれば、ぼっちは浮かなくなります。
やもともり
例えば本屋さんや図書館では、1人で過ごしていても目立ちませんよね。
まずは義務教育の小学校・中学校において、群れる状況を意識的に減らすことで、ぼっちが浮くことを減らせたらいいなと思いました。
1人で過ごすことを全員で経験し、群れていても1人でいても先生から肯定されて育つ。1人で過ごす子が増えることで、1人でいるときの注目が分散される。
そうしていくうちに少しずつ、ぼっちでいる子を見ても以前より違和感を覚えにくくなるかもしれません。自分がぼっちのときも、以前よりは堂々と過ごせるようになるかもしれません。
学校に「ソロ活の練習」を取り入れる
小学校・中学校において、「積極的に1人で過ごす練習をすること」を、ここでは「ソロ活の練習」と呼ぶことにします。ソロ(1人)で活動する練習です。
ぼっちはマイナスなイメージが強い言葉ですが、ソロと言い換えるとイメージが変わります。自分の意志で「1人でいること」を選んでいる、という印象が出ませんか。
やもともり
例えばアイドルグループのメンバーのソロデビューが決まったときには、新たなステージへの前進として前向きに受け取られることが多いですよね。
ソロ活の練習では具体的に何をするのか。何か特別な課題や活動をする訳ではありません。積極的に1人で過ごすだけでいいのです。
休み時間、給食の時間、教室から教室への移動時間などに、「今日は1人で過ごしてみよう」と子ども自身が選択するだけです。友達と過ごしても1人で過ごしてもいい自由な時間に、あえて1人で過ごしてみる練習です。
ソロ活の練習は、普段からぼっちの子にとっては「1人でいる理由」となってくれます。本当は友達がいないという理由で1人でいる子も、1人でいたいから1人でいる子も、「ソロ活の練習中だから1人でいる子」になれるのです。先生からも、ソロ活の練習に取り組んでいることを肯定してもらえます。
先生はソロ活の練習中の子に、よしよしと温かいまなざしを向けます。もしソロ活の練習中なのにワイワイ集まっている子たちがいたら、「今はソロ活の練習中だぞー。」と優しく声を掛けてもいいかもしれません。
学校は集団生活を学ぶ場でもあるので、学校でおこなうことや授業の内容は今まで通りです。その上で、ソロ活を週に3回ぐらいを目安に取り入れるのはどうでしょうか。
集団での活動も、1人での活動も、どちらも大切。集団でいることが好きな子は、たまには1人で過ごすことを楽しむ練習をする。1人でいることが好きな子は、たまには自分から誰かに声をかける練習をするのです。
学校に「ソロ活の練習」を導入する本当の目的は、ぼっちの子のつらさを和らげることですが、表向きの目的は別でもいいかもしれません。「1人で考えて行動できる強さを育てること。1人でじっくり味わえる趣味を1つ以上作ること。」など。
ソロ活には全員参加!でも「いつ・どれくらい活動するか」は自由
週に3回ぐらいを目安にソロ活を取り入れると書きましたが、いつ・どれくらいソロ活の練習をするかは子ども個人の自由とします。ソロ活動をおこなう日にちや曜日はバラけた方がいいからです。
例えばもし「月曜と水曜と金曜は全校で一斉にソロ活動」と決めてしまうと、火曜と木曜に1人で行動する子が目立ってしまいます。
「週3回ぐらい」とだけ決めておくことで、ソロ活動中の子が毎日何人かいてくれることが大切です。
ソロ活中の日であっても、途中で気が変わったらソロ活をやめてOKです。逆に、途中でソロ活を始めてもOK。ソロ活は全員参加ですが、いつ・どれくらいやるかは子どもの自由だからです。
先生はソロ活の練習を推奨する立場を取りますが、全然取り組んでいない子に対して指導や罰則を与えることは不要です。「たまにはソロ活の練習もしてみようね。」と優しく促すのはありかもしれません。毎日のようにソロ活をしている子に対しても、指導は不要です。
子どもたちも先生も、ソロ活中の子に話しかけるのは自由です。ソロ活中の子が他の子に話しかけるのも自由です。
ソロ活中であることが一目で分かるアイテムを身に着ける
周りの子や先生が見て「あ、あの子はソロ活の練習中なんだな」と一目で分かるように、アイテムを身に着けるものいいと思います。例えば、リストバンドや腕章や首に巻くバンダナなど。安全で手軽なものなら何でもOKです。
こういったアイテムは、身に着ける本人(特に、ぼっちをひどく怖がる子)にとってお守りのような役割を果たします。アイテムを身に着ければ、1人でいる理由が可視化されます。それに、「学校から言われたとおり、ちゃんとソロ活の練習をしていて偉い」という肯定感を持てます。
ソロ活の日ならではの特典を用意
子どもによっては、何かいいことがないとソロ活の日を作らないかもしれません。そこで、例えば「ソロ活の日にだけできる特典」があれば、積極的にソロ活をする子が増えると思います。
例えば、ソロ活中の子だけが使っていい「VRグラス」を用意するなど。ソロ活の日を増やしたくなるきっかけが、たくさんあるといいなと思います。
ソロ活の日以外は、勇気を出す練習
自分から話しかけるのが苦手な子がいます。話しかけたくても、「拒否されたらどうしよう、迷惑だったらどうしよう」と怖くなってしまう子がいます。
特に、すでにできているグループに自分を入れてもらいたいときには、すごく勇気が要ります。
そういう子は、ほぼ毎日をソロ活の日にしてもいいから、週に1回だけは「自分から話しかける練習の日」にできたらいいですね。ソロ活ではない日が、自然とそういうきっかけの日になったらいいなと思います。
自分の気持ちを、言葉や態度で表現することは大切です。最初は上手くいかなくて当たり前。だめなら次の週は、別の人に声をかけてみる。そうやって、本当にたまにでいいので、勇気が出せたらいいですね。
やもともり
私も、自分から声をかけるのは苦手なので人のことを言えませんが、たまには勇気を出しています。
雑談は結構難しいので、最初は挨拶や褒め言葉や質問がオススメです。
挨拶なら、「おはよう!」「ばいばい、また明日ねー!」の前に相手の名前もつけて、「〇〇さん、おはよう!」「〇〇さん、ばいばい、また明日ねー!」と言えるとさらに良いです。(自分の名前を呼ばれると、多くの人は嬉しいので。なるべく、笑顔で、大きな声で。)
褒め言葉なら、「絵がとっても上手だね!」と伝えるなど。いいなと思ったことを伝えてみましょう。(細かいところまでよく観察して、いいところを見つけましょう。)
質問なら、学校のこと、相手のこと、何でもいいから聞いてみます。「今日の体育ってマットだっけ?」とか、「それいいね!ポケモンのキャラ?」とか。長く会話が続かなくても大丈夫。最後は「教えてくれてありがとう。」と伝えましょう。
返事がなかったり、拒否されてしまうこともあります。それを想像すると怖いし、そうなると悲しいですよね。そういうときは、「まぁ、練習で声をかけたんだからいっか。声をかけることができて、一歩前進したぞ。」と心の中でつぶやきましょう。
世の中には、どうしようもないことや、我慢しなければいけないこともたくさんあるけれど、工夫することで変えられることもたくさんあります。
ソロ活の練習を取り入れることへの弊害や、他のアイディア
ここでは、ソロ活の練習の導入において考えられるデメリットと、ソロ活以外で子どもの孤独感を軽減するアイディアについていくつか載せます。
先生のご負担が増えるのでは?
例えばまず思いつくのが、先生の仕事のご負担が増えてしまうことです。
先生方は、ただでさえ仕事量が多いのに、人手不足の問題を抱えています。それに加えて、
- いじめ問題への対応
- アレルギーの子への対応
- 病気、障害、発達特性がある子への配慮
- 家庭問題への配慮や保護者対応
- その他、さまざまなトラブル対応
などもあるため、先生方への負担を増やすことは極力避けたいです。そのためソロ活の練習に関して、「先生の管理・成績への反映・指導」は不要と決めておきます。
できれば先生にしていただきたいのは、「1人でいることも群れていることも否定しない」、「ソロ活している子がいたら肯定的な言葉がけをしていただく」ことです。新たな業務はなるべく発生しない仕組みにしたいです。
学校はすでに「子どもが1人で過ごす時間」を用意してくれているのでは?
学校では朝の読書の時間を設けているところも多く、その他にも自習などの既存の活動もあります。そういう時間には、子どもが一人で静かに過ごすことが許され、心理的安全性が確保されています。
しかし、ぼっちがつらいのは「一人で過ごす前提」ではない時間なのです。周りが群れている中、自分が1人でいるという状態なのです。私はそういうつらさをなるべく減らしていきたいです。
効果がなさそう、むしろ逆効果になるかも
効果がないのでは、という意見もあると思います。ひどいときは、逆効果になる場合もあるかもしれません。(交流が苦手な子が増えてしまう。ソロ活中のアイテムを身に着けていると冷やかされそうで怖い。ソロ活が原因で学校に行きたくなくなった、など。)
しかし、一度試してみるのはありだと思います。上手くいかないことがあれば早めにやり方を変えたり、中止にしたり。そうやって試行錯誤を続けていくことが大切です。
「ぼっちは怖くない、かっこいいこと」という啓蒙活動をしたらどうか
「ぼっちは怖くない、1人で堂々といることはかっこいい」といった啓蒙活動を続けることも大切です。
ただ、価値観や本能的なものはなかなかアップデートが難しいため、そういった啓蒙活動に加えて「ソロ活の練習」のような仕組み作りが必要だと思います。
1人でいる子に声を掛ける人が増えたらいいのでは?
「1人でいる子に声をかけよう、仲間に入れよう」と大人が子どもに伝え続けることも大切ですよね。
ただ、子どもは特に、自分のことで精一杯なことも多いですし、保身のために声を掛けられないこともあると思います。どうしても相性が良くない場合だってあります。
「仲間に入りたいのか、1人でいたいだけなのか」が、はたから見たら分からない子もいます。お互いの気持ちは目に見えないので、言葉などで可視化する必要があります。
言葉で伝えることが難しい場合は、例えば「交流したいバッチ」「今は1人で集中したいバッチ」などを身に着けることで、気持ちが分かりやすくなったらいいなと思います。
やもともり
合わない子と無理に仲良くする必要はないです。でも、せめて挨拶はしましょう。「合わない=敵」ではありません。攻撃などは絶対にだめ。
奇数でいるときのルールを作る「3分たったら途中で時計回りに入れ替わる」
3人でいるとき、2人と1人に分かれることがあります。
例えば登下校のとき。道幅などの状況によって、前に2人、後ろに1人になります。前の2人だけで話が盛り上がって後ろの1人がぽつんと寂しそうにしていること、よくありますよね。
はたからみると3人グループですが、自分がいつも1人になるなぁと感じると悲しいものです。悪気はなくても、気づかないうちに誰かをぼっちにしてしまうこともあります。
そこで、「3人でいて2人と1人に分かれてしまう状況になったら、定期的に入れ替わること」をルール化するのはどうでしょうか。暗黙のルールではなく明確なルールに。
例えば覚えやすいように、「3分たったら途中で時計回りに入れ替わる」など。
ルールとなれば、もし前の2人が盛り上がって気づいてくれない場合も、「そろそろ交代しよー」と言い出しやすくなります。
「二人一組を作る」ときには、こうしよう
体育の授業中や、社会化見学などでバスに乗るとき、二人一組を作ることがあります。
自由に組むとなると子どもたちは、仲良しの子のところに行って組む子、何も気にせず隣にいる子に声を掛けて組む子、誰と組もうか焦る子、奇数の場合いつも最後に1人余って恥ずかしさや悲しさを感じる子、などがいます。
自由に組めることが嬉しい子もいれば、自由に組まなければいけない状況が怖い子もいます。
そのため、二人一組を作るとき、2回に1回は「出席番号順」などで機械的に決めるルールにしたらどうかなと思います。そうすれば、自由に組む機会が半分に減ります。
また、「奇数でいつも最後に1人余ってしまうこと」を避けるには、毎回違う子が余るようにするため、「出席番号順などであらかじめ余る子を決めてから、二人一組を作るのはどうでしょうか。
おわりに
コロナ禍のときは、「コロナ禍だから。蜜を避けるため。」という理由で人と距離を取るのが当たり前でしたよね。
ぼっちに悩む人や、1人で過ごすことが好きな人の中には、「コロナ禍だから」を理由に1人でいられることをありがたく感じた人もいたと思います。1人でいる理由を説明しなくていい時期でした。
私は、またコロナ禍のような状態になるのはもちろん嫌ですが、何か仕組みを作ることによって「1人でいる理由を説明しなくていい社会」になったらいいなと思います。
今回の記事に書いたような、「ソロ活の練習」をみんなでおこなうことは、そのような社会を作る仕組みの1つになるかもしれません。ソロ活の練習をする人が日本全体で増えれば、1人でいても目立ちにくくなります。
運良く「ぼっち」になりづらい人や、「ぼっち」でいてもつらさを感じない人にとっては、今回の記事の内容を大げさだと思うかもしれません。バカバカしいとあきれているかもしれません。
しかし、ささいな悩みだと思われるようなことに、深くそして長く悩み続けている人がいるという事実は知っておいてほしいです。
環境が変われば、誰もがぼっちになる可能性があります。そして、自分の力では環境を変えづらい人や状況があります。子どもの場合、大人よりもさらに、環境を変えることは難しいです。
ぼっちが良い意味で目立たない仕組みを作れたらいいな。
孤立感を抱えやすい子どもたちが、休み時間も安心して過ごせたらいいな。
「ぼっちが怖くて学校に行きたくない」という不安を、少しでも減らせたらいいな。
世の中の子どもたちが、子ども時代という貴重な時期に、安心して日々を過ごし、色々な経験をし、楽しい思い出をたくさん作って欲しいな。
そう強く願って、この記事を書きました。











