人と一緒にいると疲れてしまう。
考え過ぎて動けなくなり、共感し過ぎて心が忙しい。過度な心配性。
敏感過ぎて生きづらいHSP。
同じような状況で悩んでいませんか?
私は子どもの頃から、「人と一緒にいて疲れるのは当たり前」だと思っていました。
刺激に対して過敏なのも、これが人間として普通の反応。みんな我慢しながら生きているのだと。
しかし、5年前に書店でHSP関連の本を目にしたとき、自分がHSPであることを知りました。
気持ちが楽になったと同時に、もっと早く知りたかったとも思いました。
HSPで良かったことも沢山ありますが、それよりずっと苦しいことの方が多かったからです
それからというもの、本やネットの情報を参考に、楽に生きられる工夫をしてきました。仕事を在宅ワークに変え、感情の起伏の激しい人や苦手なものとはなるべく距離を置いています。
とはいえママ友や学校関連となると話は別。逃げてばかりでは子どもにしわ寄せが及んでしまいます。
保護者として責任があるため「子どもの課題は自分の課題ではない」と割り切るのは難しい。子どもに関する心配事は絶えません。
この記事では、HSPが子育てで直面する問題と対処法について書きます。
「どんな刺激にも鈍感になれる」などという根本的な解決法ではありませんが、私の場合はこの対処法のおかげで悩む時間が半分ほどに減りました。
同じ状況でお悩みの方にとって、少しでも参考になると嬉しいです。
- HSPの自分は「子育てに向いていないのでは?」と悩んでいる
- HSP関連の本に書いてある対処法の中には、子育て中に適用できないことがある
- 「適度、ほどほど」に行動することが難しい
HSPとは?
HSPとは、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略称で、「とても敏感な人」のことです。
アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念であり、彼女の調査によると約5人に1人がHSPだと考えられています。
HSPは病気ではなく、生まれ持った気質であり、HSPの脳の扁桃体と非HSPの扁桃体とでは働き方が少し異なると言われています。(※扁桃体は、「不安や恐怖といった感情、直観力、ストレス反応」に深く関わっている器官です)
アーロン博士の研究による「HSPセルフテスト」をおこなってみると、自分にHSPの傾向があるかを判定できます。(セルフテストの内容はネットで検索してみてくださいね。)
セルフテストのチェックリストには、
こんなの多かれ少なかれ誰にでも当てはまるのでは?
という項目もありますが、夫にも同じテストをやってもらったところ全然当てはまらなくて驚きました。
なお、アーロン博士によると、以下の4項目のうち1つでも当てはまらないものがある場合はHSPではないそうです▼
- 深く考えをめぐらせる
- 過剰な刺激を受けてしまう
- 感情が動きやすく共感もしやすい
- 些細なことにも敏感である
この記事は、刺激を求めない内向型のHSPが書いた内容ですが、HSPの中には刺激追求型の「HSS型HSP」も存在します。「HSS型HSP」は外向的で明るいため一見HSPには見えないかもしれませんが、実は刺激に弱く傷つきやすいという面があります。
HSPが子育てで直面する問題と対処法
【問題① ママ友、習い事、教師、PTAなどの人間関係】
子育てしていると避けがたいのがママ友付き合い。子ども同士が仲良しだと、相性の良くないママさん・パパさんとも関わらねばなりません。
習い事の先生や園/学校の先生に対しても気を使いますよね。
親である自分が悪い印象を持たれると、子どもに対しても悪い印象を持たれそうです。
また、学校のPTA役員を引き受けると他のママ・パパたちや先生とたくさん関わることになり、心身共に負担が増します。
→ 対処法:期間限定「良い人キャンペーン」で乗り切る
ママ友、習い事、教師、PTAの関わりは子どもが大きくなるに連れて減ることが多いです。そのため「期間限定」で良い人を演じて乗り切ります。
ただ、良い人を演じる時間が長いと疲れてしまうので、仕事や用事を理由として集まりを途中で抜けたり欠席したりもします。
また、私は幼稚園や習い事の送り迎えをとても苦痛に感じていたためなるべくギリギリの時間に登園させたりお迎えに行ったりしていました。
【問題② 子どものあらゆることを心配してしまう】
自分のこと以上に、子どものことを心配し過ぎて苦しくなります。
現在のことも将来のことも。健康と安全、性格や能力、交友関係。あらゆることが心配の対象となります。
子どもの明るい未来を想像した方が良いのに、思い浮かぶのは心配なことばかり。
特に、登下校中に事故に遭わないか、お友達とのトラブル(いじめたり、いじめられたり)についてを心配しています。
そうならないよう準備や対策ができるのであれば、それは「良い心配」です。問題は、心配してもどうにもならないことまで永遠に考えてしまうこと。
また、HSPは危険にとても敏感。そのため子どもに対して「~したら危ないよ」、「こうした方がいいのでは?」と先回りして声を掛けることが多いのではないでしょうか。しかし必要以上の声掛けや行動制限は子どもの可能性を狭め、子どもを心配性にしてしまうかもしれません。
→ 対処法:未来を心配するよりも子どもの「今」に目を向ける
未来を心配してばかりでは、子どもの「今」を見逃してしまいます。
「心配してもどうしようもないことを考えているな」と気づいたら、子どもの様子にしっかり目を向けます。
今、目の前にいる子どもを笑顔にする。それを続けていくことで、未来の子どもの笑顔にも繋がります。
また、子どもへの口出しは「命に係わること」に限定します。それ以外のこと(学校、交友関係など)に関しては子どもの力を信用し、なるべく口を出さずに見守るようにします。
【問題③ お出かけでぐったりしてしまう】
子どもが小さいうちは、子育て支援センター、公園、旅行やキャンプなど、色んな場所に連れて行った方が良いと言われていますよね。
子どもの喜ぶ顔が見たいし、様々な経験をしてもらいたい。
しかし子どもを連れて刺激が強い場所で過ごした私は、帰宅後にぐったりし、翌日にも引きずります。
→ 対処法:無理に出掛けない
子ども自身が「行きたい」と言う場所にはなるべく連れて行きますが、親から子どもに「〇〇に行こうか」と誘って無理に外出することは止めました。
毎週、毎月のように家族でお出かけするご家庭には感心しますが、「我が家は我が家なりのペースでいいや」と決めてからは気が楽になりました。
学校など第三者が色んな施設に連れて行ってくれる機会もたくさんありますよね。
【問題④ 的外れなアドバイスにモヤモヤ】
子育て中、周りの人が良かれと思って色んなアドバイスをくれます。
甘やかし過ぎじゃない?
気にし過ぎだよ
一人っ子だと干渉し過ぎちゃうけど、二人目が生まれたらバランス良くなるよ
大変なのはみんな同じ
そういうとき、的外れだと感じてモヤモヤしたり、痛いところを指摘されて余計に傷ついたりすることがあります。さらっと受け流せずに何度も思い返してしまうんです。
→ 対処法:ひろゆきさんの言葉を借りる
的外れなアドバイスをもらってモヤモヤしたときなどには、ひろゆきさんの言葉を心でつぶやきます。
相手に対してだけでなく、自分に対しても使える言葉です。
おわりに
HSPは病気ではないため、治療薬はありません。
そのため「自分に合った環境に移り、苦手から距離を置く」というアドバイスをよく耳にします。
しかし、それが難しい状況もたくさんありますよね。私の場合も、子育て中は特に難しいと感じることが多いです。
今回の記事が、子育て中のHSPさんにとって少しでもヒントになれば幸いです。
子育て中はどうしても子ども中心で考えがちですが、まずは自分を大切に。そしてHSP持ち前の「小さな変化に気づく」能力で、子どもの成長や日々の小さな幸せを沢山見つけていきたいですね。